西洋タンポポはガク(総苞片そうほうへん)が外側に広がっていますが、関東タンポポはガクが閉じています。
外来種の
西洋タンポポは、荒れ地や自然が失われた場所でも生育できるために都市部でも分布を広げていきました。
 
周りのタンポポを調べて花の付け根の部分(ガク)が反り返っている西洋タンポポが多いなら、そこは関東タンポポが生育しにくくなった地域といえます。

「ニホンタンポポ(在来種)」と「セイヨウタンポポ(外来種)の違い
「セイヨウタンポポ」は日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。)

【日本のタンポポ(在来種)】
「カントウタンポポ(在来種)」

→関東地方周辺に分布するタンポポ。 外来種に押されて年々その数が減ってきており、希少種。
←(2010.4/10亀塚公園タンポポエリア
Google Map

「トウカイタンポポ(ヒロハタンポポ)(在来種)」→関東から和歌山県にかけて自生するタンポポ。関東や東海地方の他、中部地方など広く見られる。トウカイタンポポは今でも多くの花を見ることができます。

「カンサイタンポポ(在来種)」→関西地方を中心に生息する品種。一般的に見かけるタンポポに比べて一回り小さい。カンサイタンポポは数を減らしています。

「シロバナタンポポ(在来種)」→白い花を咲かせる美しいタンポポ。西日本を中心に見られますが、名古屋辺りでは珍しい。北海道で自生していることも確認される。総苞片は多少反り返かえる。シロバナタンポポは、元来、西日本のみに分布していた種ですが、地球温暖化の影響か最近では関東地方でも見られるようになった。
←(2012.4/17大分県)

「ツクシタンポポ(在来種)」→九州地方に生息する。花は小さくて上向きに咲きます。

「エゾタンポポ(在来種)」→北海道や東北地方。

「シナノタンポポ(在来種)」→長野県、山梨県の山間部。

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【ニホンタンポポ(在来種)とセイヨウタンポポ(外来種)の違い】
「花の下のガク片(総苞片)」
「ニホンタンポポ(在来種)」は、ピタッとくっついていて、上を向いている。

「セイヨウタンポポ(外来種)」は、ガク片が反り返っていて、下を向いているので違いがすぐわかります。
よく見かけるタンポポは「セイヨウタンポポ(外来種)」です。綿毛(わたげ)の量が2倍ある。


「花の数」
「ニホンタンポポ(在来種)」
は少なく、ひとつひとつの花びらは大きく、全体の花の大きさが小さい。3月の終わりごろから開花し始め、5月下旬頃には地上部(根っこ以外)は枯れてしまいます。そして、次にその姿を見るのは秋以降になります。

「セイヨウタンポポ(外来種)」は花の数が多くてひとつの花びらが小さく、花の全体の大きさが大きい。「ニホンタンポポ(在来種)」に比べ開花できる時期が長いため、分布範囲以上に生息が広範という印象を与える。



「葉」
「ニホンタンポポ(在来種)」
→線対称(せんたいしょう)
「セイヨウタンポポ(外来種)」→ギザギザしている。

「繁殖力」
「カントウタンポポ(在来種)」
は虫が花粉を運ぶことで結実するが、「セイヨウタンポポ(外来種)」は花粉ナシにタネを作る。
「セイヨウタンポポ(外来種)」は、無性生殖で増えることが出来ますが「ニホンタンポポ(在来種)」は出来ません。
「ニホンタンポポ(在来種)」は群を作る。自分の花粉では種ができないから仲間が必要。
「セイヨウタンポポ(外来種)」は花粉がなくともタネを作るので一株でも生えている。タネの数は「カントウタンポポ(在来種)」より多い。花の咲く時期も通年とあって広まりやすい。
「セイヨウタンポポ(外来種)」は、低温に弱いため寒暖差が激しい条件下では生育できにくい。


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【セイヨウタンポポ(外来種)(日本の侵略的外来種ワースト100)】
 単体生殖ができる種です(受粉する必要がない)。それでいて花粉も作りだすこともできるため、
「ニホンタンポポ(在来種)」と受粉できてしまい雑種ができあがっている。
 平成13年度環境省が実施した「身近な生きもの調査」では、844個体のうち、純粋な「セイヨウタンポポ(外来種)」として識別されたものはわずか131個体(15%)。残りの713個体(85%)は雑種タンポポでした。
 最近の研究では、
「トウカイタンポポ(在来種)」「セイヨウタンポポ(外来種)」の花粉を拒絶するのに対し、「カンサイタンポポ(在来種)」は受粉しても、途中でその種子が死亡することがわかってきました。
 研究によると、外来種の花を摘み取るなどすれば、外来種からの繁殖干渉による在来種の駆逐ができるのではないかとされています。

「アカミタンポポ(外来種)」
帰化種のタンポポと言えば以前は
「セイヨウタンポポ(外来種)」がほとんどでしたが、現在では多くの地域で「セイヨウタンポポ(外来種)」以上に繁殖していると言われている「アカミタンポポ(外来種)」。綿帽子は外から見て種子が赤みがかっている。
  


「セイヨウタンポポ(外来種)」
「アカミタンポポ(外来種)」などは、明治以降外国からやってきたタンポポです。全国に分布し花期も長く、一年中花を咲かせることができます。現在は雑種個体がほとんどを占めるため、形態の特徴だけで種と同定するのは難しくなっています。受粉せずに種子を作る無融合生殖によって繁殖します。

タンポポは中東やヨーロッパではサラダとして食用したり、その根をタンポポコーヒーの原料にしたりします。

帰化植物化した外来タンポポはおよそ20種類以上が存在します。
現在では日本に生息する8割以上のタンポポが外来種か雑種とも言われています。



「カントウタンポポ」